構造物の支持層という問題
さて、今日は最近問題になっている支持層について書こうと思います。
地上や地下に構造物を建造するに当たって、重要なのは地質調査です。
地質調査の基本は機械ボーリングと言えます。
人間が地上や地下に構造物をつくるには地盤の重量を支持できる支持層が必要となります。
支持層とは何かとなりますと、色々な問題が含まれております。
一般的には構造物が大きいものなら、それに見合う強い支持地盤が必要ですし、構造物が小さい(小規模)ものならそれほど強い地盤でなくてすみます。
しかし、自然地盤は水平方向にも垂直方向にも均一な地盤はありません。
必ずと言っていいくらいに硬くなったり軟らかくなったりしています。
下の図は同じ敷地でボーリングした「推定土層断面図」です。
図1 推定土層断面(1)
図2 推定土層断面図(2)
図1の青い部分はシルト層と言われる軟らかい部分です。黄色い部分は良く締まった砂層です。
一般的には比較的小さな鉄骨造か鉄筋コンクリート造の2~4階程度であれば、Ds2となっている砂層に支持させる杭工法となると考えます。
しかし、大きな構造物では、さらに下の強固な支持層を確認して支持地盤とするのが適切であろうと思います。
また、図1及び図2でもどれ一つとして同じ柱状図がありません。地盤は常に不均一で、少し横にずれても違ってくるので注意が必要です。
このため、沢山のボーリングを行い地盤の状況を把握する必要がありますが、これでは費用もかさみますので、概略ボーリングをおこなってから、詳細なボーリングやサウンディング、ラムサウンド等を行って支持層の変化を把握する事が重要になって来ます。
精密な地盤調査、地質調査を行うのが重要ですが、効率のよい調査が行えれば費用的にも安全面でも心配の無い調査となるものと思われます。